すかさず寺本です。
ボブ・ディランを観た!!
もう、ディランが来日公演するっていうことは、祭りなのだ。
流行りの所謂フェスという意味じゃなくて、
その地域に古くから伝わる神聖なお祭りの感じ。
場所はまさかのZepp Tokyo。
僕が行ったのは23日だけだけど、3月11日の大阪公演から29日の東京公演まで、
ほぼ休みなしの全14公演。68歳にして、なんてストイックなんだろう。
初めて生で観たディランは、まだまだ青春まっただ中だった!
編成は本人含め6人のロックバンド。
今回の日本ツアーをすべてスタンディングのライブハウスにしたのは
ディラン本人の希望らしいけど、バンドの音を聴いてものすごく納得。
ディランは近年のライブではキーボードをメインに演奏しているらしい。
この日は1曲だけエレキギターを弾いていた。
調子が悪かっただけかもしれないけど、いまはギターが上手いとは思わなかった。
そのかわり改めて発見したのは、
ディランは素晴らしいキーボーディストでもあるということ。
体をかがめながら、魂を込めるように弾く姿がかっこいい。
手持ち無沙汰だから楽器を持ってるのかと思うくらい、
メインボーカリストの楽器の音量が小さいのはよくあることだが、
ディランの場合はやたらデカくて、しっかり聞こえる。かなり上手い。
しかも、そのキーボードのフレーズを土台にして、
バンドがインプロビゼーション(即興)に発展するパターンが何度もあり、
本人もそれを心底楽しんでいた。
複数人で演奏するときのインプロビゼーションのおもしろさ、楽しさ。
結局それに尽きるんじゃないかと思わせられるほど。
バンドの肝はそこにあるような気がする。
これは音楽に限らず、演劇、ダンス、お笑いなどにおいても言えることかもしれない。
また、ディランはその日によってセットリストをガラリと変えるため、毎晩やる曲が違う。
今回のツアーでもレパートリーは50曲を優に超すらしい。
なにより素晴らしいのは、過去の曲のアレンジを大幅に変え、
”今”のやり方で演奏していること。
過去のものを潔く捨てる姿勢が、いかに大切かということだ。
なにより、新しいアルバムが良いものね。
ディランは音楽に挑み続けていた。青春まっただ中と書いたのはそういうことだ。
曲目に関してはいろいろあるが、なにしろ初めて観たので、
結局「Like a rolling stone」だった。
何を隠そう、僕が黒×白のテレキャスターを買ったのは、
フィルムで観たこの曲を歌うディランが美しすぎるからだった。
美しいなあー。何度観てもいい。
さらに長くなってしまうのでこのへんで。